+ モンゴルB ウランバートルその他 (2008.07.21)
 さて、ウランバートルで都会遊びばかりしていたとなると、「そんなん日本でもできるやん」ということになるので、
少しはバックパッカー的な行動も記録しとこう。

 まず、カザフスタンビザを取得。
 日本を出発する前、ロシアで皆既日食を見た後どこにいくか考えたのだが、とりあえずまだアジアに残りたい
ので南に下りたかった。
 そこで皆さん、世界地図を手元にご用意ください。ロシアからアジアに向かうには、思い切ってオホーツク海
まで東に行って中国に戻るか、モンゴルに戻るか、カザフスタンに抜けるしか道がない。ロシアもでかいけど
この3国もでかいので、意外と国は限られる。
 さらに西に行くとグルジアとかベラルーシとかフィンランドとか、そこはもうヨーロッパの世界。そこまでいって
アジアに戻るのは馬鹿馬鹿しすぎる。かといって労力を使って中国やモンゴルに戻りたくない。

 ということで、
特に興味の湧かないあまり情報の無いカザフスタンへ行くことにした。

 さて、こういう長期旅行にあまりなじみのない方はよく分からないかもしれないが、世界にはビザが必要な国
と必要ない国がある。必要かどうかはその人の国籍によって決まるのだが、日本人は一般的にビザが不要な
国が多い。
 モンゴルとロシアの場合はビザが必要で、それらは日本で取得してきた。しかしその後は、いつどこに行くか
分からないような旅行なので、目的の国のビザを事前の国の大使館や領事館に行って申請・取得することに
なる。
 たとえばカザフスタンに行きたいなら、カザフも日本人はビザが必要なので、中国・モンゴル・ロシアのいずれ
かのカザフスタン大使館に行ってビザを取得しておかなければならない。
 しかし大使館があるのは概して首都やそれクラスの大都市なので、そのへんも考えながらどこの大使館で
どのビザを取る(取れない大使館もある)のかを計画だてて旅を進めなければならない。
 「別に行き当たりばったりでいいわ」という旅行者はそれでもいいが、行きたい場所に行けなかったり、結局
どこにも抜けられなくなって飛行機を使わざるを得なくなり余計な出費になったり、というリスクが伴う。

 長期旅行、しかもマイナーな国を訪れるのは、ビザとの戦いでもある。

 話を戻して、ウランバートルのカザフ大使館。ロシアではモスクワへは行かないし、イルクーツクなんかで
取れるとしても、取得に数日かかるなら滞在費がバカにならないだろうと考え、ウランバートルで取るのは
どうだろうと調べてみた。
 すると、大使館近い。取れるかどうか知らんけど、宿から歩いて行ける距離だ。
 張り切って20分ほど歩いて行ってみると、
移転していた。

 どこに移転したのかさっぱり分からんので、隣にあるホテルで「カザキスタンエンバシー!」と聞いてみると、
親切にも電話して場所を聞いてくれ、遠いからとタクシーまで呼んでくれた。英語通じなくても何とかなるもんだ、
ありがとうおねーさん!でも、
結局タクシー結構高かったよ!

 なんとかカザフ大使館に着き、笑顔で「ビザほしいんです、サー!」と言うと、超無愛想に「30ドルね、あそこ
の銀行に振り込んでレシートもらってきて」と言われた。その日は金曜日だったので、なんとか早くロシアに
向かいたかった僕は、「月曜日には受け取りたいんですが可能ですか、サー!」と言ってみた。すると、超
無愛想に「はぁ月曜?じゃあ
プラス50ドルね、現金で。月曜の朝10時に取りにきて」と言われた。

 ・・・それ、ほんとに公的に決まってるのか?どーせあんたの懐に入るんでしょ?
 と思ったが、他に術のない僕は仕方なく現金でプラス50ドルを支払い、歩いて50分ほどかけて宿まで帰った。

 さて月曜日、早起きして50分歩いて朝10時ジャストに大使館に着いた。

 僕:「すみません、言われたとおり朝10時にビザを受け取りに来ました、サー!」

 大使館員:「は?午後に取りに来てって言ったでしょ?」

 僕:「(はぁ?)いえ、貴方は確かに午前10時に取りに来てといいましたが、サー!」

 大使館員:「いや、午後って言ったでしょ。僕今から出かけないといけないから」

 僕:「いやいやいやいや、10時って言いましたって!頼みますよ!」

 大使館員:「(ため息をつきながらさもメンドクサそうに)はぁ、そこで10分待って」

 ・・・そして10分後、ちゃんとビザは受け取れたのだが、そのビザは手書きで殴り書きされたものだった。
 明らかにこの10分で書き込んだと思われる。

 ・・・オイ、
追加の50ドルは何だ?

 とりあえず文句を言っても始まらないし、本人はそそくさと出かけていったので真相は分からないが、旧ソ連
の国々は日本では考えられないほど政府組織関係者が腐敗しているというウワサはどうやら間違いではない
らしい。
 うーん、ロシアそしてカザフの旅行が憂鬱になってきた。

 この後、歩いて1時間以上かけてウランバートル駅前の国際列車切符売り場まで行って、
客よりもケータイのメール送信を優先する係員を相手にしながらなんとかイルクーツク
行きの切符を買ってまた40分ほどかけて宿まで帰った時には、もう疲弊しきっていた。
 なにしろ市バスの文字が全く読めないし、誰に聞いても英語が分からんので、タクシーか徒歩以外の交通
手段がないのである。

 ウランバートルでは、他にも広場でジャンベを叩いてて地元高校生みたいな奴らに絡まれて一緒に写真を撮っ
てあげたら、現像代といって10倍の値段をぼられそうになったり、ブラックマーケットという大きな安い市場に
行ってコーラとオレンジだけ買って帰ったり、なんかエンジョイしてるのかどうなのか良く分からないことばかり
していたが、全体的に楽しかったので良しとしよう。

 ついにロシアに向かうべく駅から電車に乗るときは、エバがわざわざ送りに来てくれた。彼のおかげで
なかなか体験できないウランバートルライフを体験できて、本当に感謝している。

 さぁ、ゲルでホームステイもホーストレッキングも遊牧民ライフも全くしてないけど、これでモンゴルは終わり。
いよいよ謎の国ロシアへ向けて出発です。皆既日食がなければ決して行かなかったであろう国ロシア、精一杯
楽しんできたいと思います!



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