+ モンゴルA ウランバートルで都会生活 (2008.07.18-20)
 モンゴルの首都ウランバートルは意外にも観光客が多く、町中に各国料理のレストランがある。モンゴル料理
はもちろん、中国、韓国、日本、ドイツ、フランス、チェコ・・・しかも全て英語標記されている。想像以上に観光化
された町である。
 ただしモンゴルに来る人たちはウランバートルが目当てではなく、田舎でホーストレッキングしたりゲルに
ホームステイしたり大草原をジープで駆け抜けたりすることが目的であり、田舎への公共交通機関があまりに
貧弱な国なので大体みんなウランバートルからツアーに参加するようだ。したがってここは砂漠の中のオアシス
のように骨休めをし、束の間の都会生活を楽しむ場所である。

 そんなウランバートルで僕も都会の遊びをしてみた。

 まずは同じ宿の西洋人たちとアルタイ式バーベキューの店へ。アルタイ式のBBQというのは、ビュッフェのよう
に並んだ肉や野菜から好きなものを好きなだけ皿にとり、好きな味のソースをかけてコックに持っていく。
コックは直径2mくらいありそうなでっかい鉄板の上で2本の長いナイフを器用に使いながらその肉野菜を炒め
る。肉も野菜もけっこうな種類があり、馬肉やパイナップルなんかもあるのだが、結局みんな同じソースで炒め
るため、よーするにソースの味になってしまうという大胆な料理である。
 何度でも取りに行っていいので、ちょっとずつ違うソースで楽しむのが賢いと思われるが、結構めんどくさい。
 この食べ放題で9800トゥグルグ、約980円。旅先ではけっこう豪華な食事だ。うまかったけど。

 一緒に食べに行ったのはイギリス人のロブとジン、アメリカ人のサム、イタリア人のスザンナ。今の宿は完全
に西洋人だらけで、一緒に食事するとなると当然英語を話し続けることになる。
 最初こそありきたりな「どこから来たの?」とか「次はどこへ行くの?」とか「スシは好き?」みたいなありきたり
な会話しかないので簡単にかつ素早く答えられ、「君の英語はすばらしい!」と言われ調子に乗るのだが、だん
だんと話が弾んで経済や政治や海外の芸能人についての会話に至ると、何度も質問を聞きかえすことになり、
答えもしどろもどろになり「やっぱりジャパニーズは英語話せないのね、やれやれ」的な雰囲気が流れるのは
なかなかツラい経験である。
 ネイティブの人は、もっとこちらのツラさを分かったうえでゆっくりしゃべってほしいもんだわ。

 都会遊びそのAとして、ウランバートルで1番有名と思われるクラブにも行ってきた。その名も「メトロポリス」。
前回の日記で登場した、日本語使いのエバが連れて行ってくれた。

 エントランスは約500円と安いが、中に入るとそこは高級感漂うエグゼクティブ達の盛り場。飲み物は日本
並みに高く、ビール1杯500円、カクテルは1000円以上するものも。

 エバと二人でウォッカをボトルで頼み、飲みながら周囲を観察。なかなかの大バコで、1000人くらい入りそう
な感じ。中央にバーカウンターがあり、後方の壁際はソファーや椅子、前方の壁際から正面にかけては
ちょっと高めのステージで、誰でも踊れるようになっている。12時前までは10人くらいしかステージで踊って
なかったが、2時くらいになると多すぎて踊れないくらいものすごい人数がひしめきあっていた。

 人々は、特に女性はオシャレでスタイルもよく、美女揃いだった。ただ、日本と違っていわゆるちょっとユルめ
の格好をした子はおらず、みんなエビちゃんのようにビシッと決めてこの日に臨んでいるかのような気合いが
感じられた。まぁエビちゃんがどんなんか知らんけど。ていうかエビちゃんてもう古いの?
 それに比べると男性は・・何というか、奇妙な格好の人たちが多かった。もちろん日本にいそうなオシャレな
感じの人もいたが。まぁ、彼らも
背中に「祭」と書かれた甚平を着てビーチサンダル
履いて丸型サングラスをした男
に言われたくはないでしょうが。

 いい感じに酔っ払ってきたところで僕らも踊りだす。音はけっこうダサめのトランスだが、この際贅沢は言う
まい、モンゴルのクラブでトランスを聞いているという非現実感だけでテンションはあがる。調子に乗って
ステージに上がって踊りながら周囲を観察。踊り方や楽しみ方はそんなに日本と変わらんようだ、まして
モンゴル人は日本人に似てるので、まるで日本のクラブにいるような錯覚を覚える。
 1テーブルを占拠していたロシア人の集団に絡まれ、またウォッカを飲まされ、ロシア美女と一緒に踊り、
ボトルのウォッカをエバと二人で飲み干したところで、かなりフラフラなことに気づいた。だいたいそんな多量の
ウォッカを飲むのなんて、大学3年のときの新入生歓迎合宿で後輩に飲まされまくって寝ゲロを吐いたとき
以来である。うーん嫌な思い出。

 3時くらいに満足して店を出てタクシーでホテルへ帰ったはずだが、タクシーを降りてからの記憶は定かで
ない。
 とりあえず次の日は二日酔いで一日を無駄に過ごしたのと、金がなにやら4,000円ほど減っていたのは
あまり公開したくない過去の過ちである。

 都会遊びそのBとして、同じドミのイタリア人ガール・スザンナとフランス人ガール・リズ、その友達のモンゴル
人ガール・タエ(たしか)とで、民族楽器ロックバンドの生演奏があるというレストランへ。かなり外国人率の高い
そのレストランでは、みんな「高いから飲み物だけにしとこっか、あんまお腹空いてないし」的な雰囲気になり、
僕が昼飯を食べてなくて腹ペコなことは最後まで言い出せなかった。

 民族楽器ロックバンドはかなり質が高く、有名な馬頭琴をはじめとして見た事もないトランペットのような
楽器やアコーディオンのような楽器、電子的な音を出す鉄琴のような楽器など、ドラム以外は全てトラディッ
ショナルな楽器で演奏されていた。タエによるとモンゴルで最もよい民族ロックバンドらしい。
 そして驚くべきは彼らのホーミー(モンゴルではホーメイ)。ホーミーとはのどの奥から搾り出すような声を出し、
のどを開け閉めしたり口の空間を広げたり縮めたりしながら倍音を作り、低音と高音を同時に出す歌唱方法
なのだが、あんなに見事に低音と高音が鮮明に聞こえるホーミーは初めて聞いた。

 翌日CDを買おうとしたが、翌日はカザフビザ取得→ロシアへのチケット購入→荷物まとめて出発という忙しい
日だったので見つける暇がなかった。すると、リズが僕の分も買ってきてくれ、しかも「お金はいいから」と
プレゼントしてくれた。
 リズ、なんていい子なんだ・・・僕は、
17歳の子にCDをおごってもらいました。。

 実は録音もしたのだが、とある事件があってその音源はなくなってしまった。このことはまぁまたそのうち
詳しくかくことにしよう。
 ちなみにこの民族ロックバンド、「ALTAN URAG」と言います。いちおう気になった人のために。
YOUTUBEででも探してみたら出てくるかもしれません。CDよりライブのほうがはるかによかったです。


 こんな感じで、かなりシティーライフをエンジョイしました。都会はもうお腹いっぱい、といってもウランバートル
は実はがんばれば歩いてどこへでも行けるほどの広さなんですが。。
 これからはロシア・アルタイ共和国まで怒涛の移動、そして山の中でキャンプ生活。ちゃんとたどり着けるか
どうか、心配やけども楽しみです。


    ↑アルタイ式BBQ。ビールはもちろんチンギスの生!



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