+ モンゴル@ 中国−モンゴル国境超え (2008.07.17)) |
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「北京からモンゴルの首都ウランバートルまで、国際列車で24時間ほどで行けるらしい。」 「でも、高いらしい。」 「バスかローカル電車を使うとかなり節約できるらしい。」 これが僕が日本でガイドブックを立ち読みして得た国境越え情報の全てである。 とりあえず国際列車は使わない方向で、北京駅に行って国境の町・二連浩特までの列車の時間を聞いてみた。 すると明日の朝発しかないという。できれば今夜の夜行に乗りたかった僕は、たまたま道を歩いていて見つけた 観光案内所でバスの時間を聞いてみる。すると、何とかいう長距離バスターミナルから17:00発のバスがある という。 ただバス停までは地下鉄とバスを乗り継がないといけないらしく、観光案内所のおっちゃんは親切にも行き方 を書いてくれた。 当日にチケットを取れるか心配しながら、荷物を持って何とかバスターミナルに辿りつき、人に聞きまくってチケ ットゲット。中国では名高い寝台バスで、完全に横になれるバスなので、後ろの人の足が臭くなければ大変快適 である。 ただ、乗客よりも多いんじゃないかと思われる荷物を下のトランクに詰め込むのに30分以上もかかり、結局 全てをトランクに入れるのは物理的に不可能だったため、溢れた荷物はベッドとベッドの隙間や空いている席に ぶちこまれていった。もちろん僕の荷物も溢れた組である。 寝台バスはやはり乗ってしまえば快適で、晩飯を食い損ねたため空腹と戦うことになった以外は快適な移動 となった。ていうか、食にうるさい中国人のことやから絶対晩飯休憩があると思ったんやけど・・ ちなみに途中休憩で空腹に耐えかねて買った中国のお菓子は、なんというか、とてもおもしろい味がした。 このお菓子を開発した人に敬意を表してオブラートに包んだ言い方にしておこう。 そしてバスは、夜中の3時に二連浩特についた。 ・・・もうちょっと遅く着いてくれていいのに。 国境が開くのは10時というので、その辺で寝ていようと思ったが、宿の客引きがあまりにしつこく、断っても 理解できないみたいで、15元でホテルで寝れるからついてこいと言い張る。確かに明日も夜行移動やし寝と いたほうがいいかなと思い、かなり場末感が漂うボロボロのホテルで仮眠を取った。 さて、朝9時から朝飯を探して行動開始。二連浩特は辺境とは思えないほど結構でかい町で、内モンゴルなの で当然だがモンゴル系の顔の人が目立つ。店の看板も中国語とモンゴル語が併記してある。 ただ、国民性は変わらないみたいで、朝の9時から大の大人が道端に10人集まってカードゲームで盛り上が っている。 とりあえず見つけた店で麺を頼んだら、ミルクティーがついてきた。これはありがたいと思いながら飲むと・・・ うーん、おもしろい味だ。ミルクティーなのに塩味が効いている気がする。これは、飲めん。 そして出てきた麺はいかにもさっぱりとしていて美味しそうな肉入りうどんだ。一口食す。 うーん、見た目と180度違ってスーパーこってり。これがウワサの羊肉ですね。マトンちゃんですね。 ちょっと吐きそうになりながら完食。朝からヘビーでした。あぁ早くも日本食が恋しい。 ここから国境を越えてモンゴル最初の町ザーミンウードまで、乗り合いタクシーで80元だということだ。 しかし距離から考えて高すぎる。国境まで行って越えてしまえばまた別のタクシーかバスがありそうなもん だが、宿のおっさんは「ない」と言い張る。別のモンゴル人のおばちゃんらがウランバートルまで行くから一緒 に行け、とのことだ。 国境にタクシーがいないってことはないやろーと思いながらも、仕方なく提案に乗って乗り合いタクシーで 国境に向かう。最初は快適だったのが、だんだんと人が増えて最終的に前3人、後ろ4人に大量の荷物が入る ことになる。ちなみに広さはたぶんワゴンRくらいである。一切身動きができない上に後部座席のドアが閉まらず 常に手でドアを持ったまま走る。 そして国境を越えたところで、モンゴル人のおばちゃんがウランバートル行きのチケットらしきものを見ていた ので、ザーミンウードのどこで買えるか聞いてきた。 ・・・通じない。英語が一言も通じない。ロシア語の指差し会話帳とジェスチャーと気合で聞き出したところ、 ザーミンウードではチケットは買えないとのこと。 えっ、買えない? いやいや、始発の駅でチケット買えないってことはないでしょ、と何度も聞きなおすが、どうも無理らしい。 そんなバカな、うそでしょうそでしょと大いに取り乱していると、おばちゃんは何かを提案してくれている。 そんな時、すぐそばにいたモンゴル人らしき青年が話しかけてきた。 青年:「日本人?」 僕:「ええ、そうですけど、あなたは?」 青年:「モンゴル人だけど、日本語はなせるよ。なんかそのおばちゃんが今から別のタクシーでチケット買い にいこうって。ちなみに僕もチケット欲しいから一緒に買っといてくれない?」 僕:「は?はぁ、いいですけど・・・」 青年:「じゃこれ、20000トゥグルグとパスポート。」 まったく状況に対応しきれないが、とりあえずおばちゃんは何とかしてチケットをゲットしてくれるらしい。 そして、青年からお金とパスポートを託された僕は、言われるがままに歩き出した。 けっこう歩いたが、なかなかタクシーは見つからない。おばちゃんは全く言葉も通じないこんなジャパニーズ のために汗だくになって歩いてくれている。なんて優しさだ。 そしてようやくタクシーを見つけ、そこで待っていたおばちゃんの知り合いらしき女性と共になにやら駅っぽい ところへ。そこの奥まったガラス張りの建物の2階でチケットを買ってくれた。 僕:「おばちゃん、そしておねーさん、本当にありがとう!ところでここはどこ?」 おばちゃん:「ザーミンウードよ」 ・・・チケット買えるやん。 まぁどういうことかよく分からんけどとりあえずチケット買ってくれたし、今日の夜行に乗れることは確定した のでハッピーだわ。さて、今から出発までまだ3時間ほどあるけど、どうしようかなー。 ん、おばちゃん、勝手に僕の荷物預けてどこにいくのかな?なにやらジュースやら食料やら買い込んでますね。 僕がまごまごしていると、かわいらしいおもちゃのような家が並ぶところに連れて行かれた。ほほうこれがモン ゴルの家かーかわいらしいなーと思っていると、そのうちの一軒に招かれた。 どうやらおねーさんの家で休憩するようだ。 そこで昼飯にサラダやらソーセージやらジュースやらミルクティーやらをいただき、おなかいっぱいになった けど言葉がいっさい通じないので困っていたところ、かなり片言ではあるが日本語を話せる女の子が登場した。 その子に通訳してもらいつつ、モンゴル語の基本会話や今の状況、通貨単位のことなどを聞きまくり、 また日本についていろいろと教えてあげた。この女の子バヤサーは、大学で1年間日本語を勉強したらしく、 けっこう漢字も知っていた。 また、この家に招いてくれた女性バッチメグは、超片言の英語を喋りつつ、旦那さんと共に「ウチで一泊して いきなさい、お酒を飲みましょう!電車は明日に延長できるから!」としきりに誘ってくれた。 おばちゃん2人組といい、バヤサーといいバッチメグといい、ついさっき知り合ったばっかりの、足手まといの 日本人にここまで優しくしてくれるなんて・・・そのホスピタリティーに感動した。と共に、この人たちに会って なかったらチケットは手に入らなかっただろうし、乗り合いタクシーを選択しなければこの人たちに会って なかっただろうし、夜中にホテルに誘われるがまま行っていなければ、あの乗り合いタクシーに乗ることは なかっただろう、と考えると、この出会いは宿命だったんだろう。 旅がうまく回り始めたのを感じる。 それから駅まで行き、無事に例の青年にも会え、おばちゃん2人組とバヤサーとバッチメグとその旦那に篤く 御礼申し上げてから電車に乗り込んだ。 こうして後はウランバートルに着くだけになり、ほっと一息ついて日本人使いの青年と話しをしてみた。 彼は名前をエバと言い、高校の時になにやら日本語コンテストで優勝したらしく、国費で1年間日本に留学 していたらしい。しかも今は中国留学中で中国語も喋れるし、英語も喋れるとか。 そして驚くべきことに、i-phoneを持っているではないか! こやつ、相当なボンボンと見た。ていうか、まさかi-phoneをモンゴルで初めて見るとは思わなかった。 よくよく見れば服やかばんも何気におしゃれで高そうだ。しかも音楽はトランスが好きだという話になり、 ウランバートルのクラブに連れて行ってもらうことになった。モンゴルでクラブかー、楽しそうやん。どんな 連中がくるんやろ、朝青龍や白鵬ばかりだと面白いなぁ。 そうこうするうちに電車は出発し、すぐに景色は砂漠と草原になった。まさに360度人工物のない世界。 そして驚くべきことに、「これが12時間続くよ」とエバが教えてくれた。 モンゴルで田舎に行く時間のなさそうな僕には最高の観光である。ipodを聞きながらどこまでも続く景色 を見ていると、ただ電車に乗っているだけなのにたいそう贅沢な時間を過ごしているように感じ、改めて旅の 良さを発見するのである。 翌朝ウランバートル駅に着くと、エバは「ウチまでタクシーで行って、車でホテル探してあげるよ」という 親切すぎる提案をしてくれた。喜んでお願いし、彼の家に行く。 確かにキレイな家だが、特別大きいわけでもない普通のマンション。ウランバートルではマンション住まい がスタンダードらしい。ただ、22歳で車を持ってる時点でやっぱ金持ちだコイツ。 エバは車を走らせつつ友達に聞きまくってゲストハウスを探してくれ、ついに見つけてくれた。 ガイドブックも何もない僕ではあったけど、本当に親切なモンゴル人たちのおかげで無事ここまで辿りついた。 この2泊3日は観光も何もしていない、ただ移動しただけやけど、観光なんかよりもはるかにいい出会いや 発見に恵まれていた。 この調子でhighな旅行を続けていきたいね! |
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↑まさに平原のみの世界。 |
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