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+ カザフスタン@ 共同生活 (2008.08.13-17) |
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ロシアのバルナウルを出た電車は、2日後の早朝にカザフスタン一の大都市・アルマティへ着いた。 ・・・いやいや、2日後って。2日って書いたら大したことなさそうやけど、30時間以上ですよ?日本では1秒を 惜しんで商談のために走り回ったり技術を開発しているサラリーマンたちがいるというのに、僕は電車の中でヒマ すぎてロシア語のキリル文字をAから順に暗記しようとしていましたよ。日本に帰ったらほぼ間違いなく 役に立たない知識でしょう。 じゃあ遅れまくりのHPでも作成しろよって話なんですが、これには旅行者らしい理由があるんです。 パソコンなんか出してたら、たとえどんなに古いパソコンだろうが、周りの乗客に「ボクお金持ちです」と言いふら してるようなもんやから、多分目をつけられるんじゃないかと思うんです。同じ理由で、なるべく一眼レフデジカメも ipodも目立たないようにコソコソと使うように心がけております。どうでしょう、至極尤もな理由でしょう。決して HPが遅れている言い訳ではございません。 電車の様子はロシア国内の電車と同じ。国境越えは滅多にツーリストが通らないであろう路線やし、僕のロシア でのレジストレーションは前日までしかしてなくて駅で警官に連行されそうになったし、カザフビザは手書きやし、 何か問題があるんじゃないかとドキドキしていたが、全く問題なし。悪徳警官が多く何かと賄賂を要求されると聞い ていた割には、拍子抜けするほどだった。 アルマティ駅でトイレを済ませて出ると、明らかにツーリストっぽい外国人と目が合った。お互い、他に外国人が いるはずもない場所なので瞬時に「仲間」と判断する。 彼はオーストラリア人のデイビッド。宿に向かいながら話していると、なんと彼もKHAN ALTAYにいたらしい! 何という偶然。話も合うし、お互い長期旅行なので経済感覚も合う。しばし一緒に行動することになった。 さて、カザフスタン。ロシアの地方都市のように整然としていて、町並みはかなりの都会。中央アジアと聞いて 想像するような、イスラム帽をかぶったおじさんやスカーフを頭に巻いたおばさんやラクダや馬はほとんど見られ ず、代わりに金髪青い目の兄ちゃんやセクシーな姉ちゃんや日本製・ドイツ製高級車がやたらと目に付く。 物価も本当に高く、宿は最安で一人1,500円以上、食事もレストランに入れば安くて400円は使ってしまう。 特に見所もなさそうなので、さくっと中国に抜けるかと思っていたところ、デイビットが素晴らしい話をもちかけて くれた。 couchsurfingというインターネットサイトがある。これは、ネットで「自分の家の部屋を宿としてタダで提供します、 代わりに私が旅行したときには泊めてください、宿代節約しながら国際交流しましょう」という趣旨のサイトである。 彼はコレを駆使して旅行しており、ここアルマティでも翌日からロシア人が住んでいるフラットに泊まる約束を しているらしい。そして、「もしかしたらシンヤも泊まらせてもらえるかもね」などとありがたいことを言ってくれる。 昼過ぎ、町の中心部でそのロシア人と待ち合わせているデイビッドについて行ってみる。すると、バッチリメイク のロシア美女登場。まるで人形のような整った顔に抜群のスタイル。思わずデイビッドと顔を見合わせる。男同士 にしか分からない無言のハイタッチ。 彼女は今から仕事があるというので、夜に展望台があるところに散歩に行く約束をして別れた。 それからしばらくアルマティの町を散策してみる。かなり大きな町で、南に向かって上り坂になっている。そして はるか南には、キルギスタンとの国境をなしている6000m級のアラタウ山脈がうっすらと白くそびえている。 街中の看板やメニューはロシア語と同じくキリル文字なのだが、電車の中でAから順に暗記していった甲斐が あり、ロシアのときよりはかなり読めるようになった。ただ、結局意味はもちろん分からない。 なんだかんだと時間をつぶし、夕方になってロシア美女・スヴェタとそのルームメイト・バレリアに会い、展望台 までビールを飲みながら歩いていく。その間、僕は積極的かつウザくない程度に、これまでの旅について面白 おかしく話して場を盛り上げつつ、機知に富んだ会話で大人なところも見せて二人をすっかり虜にした。これは 決して何とか気に入られて泊めてもらおうとした訳ではなく、いつもどおりの態度である。 すると、すっかり僕の虜になった二人は、「よかったらあなたもウチに泊まったらいいわ」と言ってくれた。心の 中で無言のガッツポーズ。なお、今のストーリーは半分はノンフィクションです。ありがとうデイビッド、君が 次の日からは2人のフラットに住居を移し、4人での共同生活が始まった。スヴェタとバレリアは大変もてなし が好きなようで、アルマティの見所を全て案内してくれた。 まずは28人のパンフィロフ戦士公園という公園。第一次世界大戦か何かの時に英雄となった28人の像がある 公園だが、まぁただの公園だった。 それからその近くにある民族楽器博物館。これは中央アジアの民族楽器を集めた博物館で、見たこともない ような打楽器から中央アジアっぽい弦楽器まで、いろいろ揃ってて興味深かった。ただ、かなり適当な作りなうえ に全体的に薄暗く、日本では考えれないクオリティではあった。 ちょっと足を伸ばして、メデウというアラタウ山脈のふもとにある町までバスで行ってみた。町のふもとまでバス で行き、それからかなり長い階段を登りきったところからアルマティの町が一望できた。その階段でスヴェタと バレリアはバテたらしく、もう戻るとのことだったが、僕とデイビッドは何も無いアルマティより山のほうが居心地 がよかったので、もう3時間ほど山を歩いてから帰った。この頃から、スヴェタたち(=都会っ子)は僕たち (=貧乏旅行者)を少しヘンな人種だと思い始めたようである。 そして、僕とデイビッドのリクエストでクラブにも連れて行ってもらった。その名も「Da Freaks」。ちょうど彼女たち の知り合いがDJをするというので、入場料は約500円だった(普通はいくらか分からん)。中はかなり広く、後方に バーカウンター、真ん中へんにソファーやテーブルが置かれ、前方がダンスフロア。さらに外にはバルコニーの チルアウトスペースがあり、かなり快適にくつろげる作りになっていた。 音はテクノが中心。テクノポップというか、old schoolっぽい音が多くて(僕はあまり好きじゃないけど)かなり洗練 されていたと思う。スピーカーも良かったし、まるで日本のクラブ並みだった。 客層もウランバートル以上にバッチリ決めたアルマティっ子たちや大使館員(話しかけられた)が来ていて、何と 英語が通じる人もいたりで、まさにエグゼクティブたちが集う場所であった。 夜はみんなで自炊。デイビッドがインドカレーを、スヴェタたちがボルシチを、そして僕は手巻き寿司を作った。 バザールはかなり巨大で、海苔もわさびも手に入った。ただ、内陸国のカザフではさすがに生魚は見つからず、 冷凍のサーモンとイカを買って解凍したものだったが、なかなか好評だった。ただ誰よりも感動してバクバク食っ てたのは勿論僕である。 そんな感じで、何も無いはずのアルマティで、ガイドブックの見所は全て制覇し、意外とエンジョイできた前半戦 であった。 |
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↑手巻き寿司を食すデイビッドとバレリア |
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